自分の意志で決める
2023/09/13
先日、キャリコン仲間と事例の検討をやっていて、話題になったことです。
まだ若い相談者の場合、単純に社会人経験が少ない、まだ体験していないことが世の中に一杯ある訳で、それは多分、その後の本人の成長と共に、経験したり、体験したりするだろうな、ということが、私たちの年齢になると分かります。
そういったことを、「これはこうだから、こうなるよ」と言葉で伝えていいのかどうか、という話になりました。
キャリアコンサルティングの本質から言えば、本人の内にあるものに気づかせることで、答えを導きだすとされているのですが、まだ本人が経験していないことを想像してもらうのは難しいものです。
それでも、「これがこうなると、自分はどう感じると思いますか?」と想像させるような問いかけは有効ですが、話している内容が少し難しかったり、マイナスの要素があったりすると、こちらから伝える必要も出てきます。
そういった時は「私はこういう体験をしてこう思いましたよ」というように、『自分』という軸を示してから伝え、本人が「自分もきっと、似たような体験をして身に付けるのだろう」と想像してもらうことになります。
こんなふうにキャリアコンサルティングとは、こちら側が指導するのではなく、限りなく本人の内にあるものを引き出して、気づいてもらう、自分の意志で決めてもらうことが大切です。
当然、時間が掛かるときもありますし、相談者とこちらが、どのくらい信頼関係ができているかにも左右されます。
それでも最終的には、「あの人に言われたからこうした」と言うことにならないよう、あくまでも自分の意志で決めた、と思えるように面談の時間を大切に作っていくのです。