好きなものがみつからないときは…

今年も、中学２年生の職場体験準備講座に何校もお呼びいただき、お話してきました。
時間が限られているので、生徒さんからの質問にお答えする時間が取れないのですが、終わった後、担当の先生に「もし、生徒さんから質問があったら、後日でもいいので言ってください」とお伝えしています。

先日も、生徒さんからこんな質問が送られてきました。

『お話をお聞きして、自分の好きなものや好きなことを仕事にすればいい、と学びました。
　今の自分には、これといって好きなものがありません。
　どうすれば、好きなことが見つけられると思いますか？』

最近、こういうお子さんって多いです。
多分、好きなものが無いわけではなく、気づいていないだけだと思うのですけど…

それで、こんなふうにお答えしました。

「好きなこと」って言うと、他のことより特別に好きなことでないといけない、と思ってしまうかもし
れません。
　でも少し見方を変えて「ずっとやっていても嫌にならないこと」や、「気がついていなかったけど、毎
日やっていても飽きないこと」のように考えてみてはいかがでしょうか。
　案外、毎日の中でそういったものに気づかずにいるかもしれませんよ。
　特別なものでなくてもいいんです。例えば、この教科の勉強は好き、とか、お掃除とかお料理とかでも
いい。犬の散歩だって、それが含まれている仕事もあります。
「お掃除が好きだから、お掃除の仕事に就く」と直線で考えず、「きれいにするのが好き」「整理され
ているのが好き」「こういう道具を使うのが好き」というように、分析してみましょう。
　ずっとやっていても飽きない、こういうことをしていると心地よい、ということで、仕事を選ぶ方法も
ありますよ。

この生徒さんはきっと、真面目な性格なんだと思います。
それで「お菓子作りが好き」とか「絵を描くのが好き」とか「車が好き」とか、飛び抜けて好きなものでないといけない、と思い込んでいるのではないかと感じました。
それがプレッシャーになるようだと本末転倒ですので、もっと柔軟に考えてみては？　とアドバイスしたつもりです。
お子さんがいらっしゃる方、再就職を考えている方、こんなふうに自分を分析してみてはいかがでしょうか。